幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「あっ、涼。後で画像送ってね!あたしも送るし」
「はいはい」
「お腹すいたね〜」
「だな〜」
「レインボーのハンバーグ食べたいね」
「おっ!それいいな!」
テンポよく続く言葉。
家族みたいに気を使わなくてもいい涼の存在は、いわゆる空気みたいな存在だった。
そばにいるのが当たり前で、そしてそれはずっと…これからもずっと変わらないと思っていた。
変わってしまうなんて、思ってもいなかった。
だけど…変わっていったんだ。
ものすごいスピードで、それはめまぐるしく変わっていった。
幼なじみ16年目。
空気みたいな存在だった涼のことで、息ができないくらい泣く日が来るなんて…この時はまだ気付いていなかった。
空気のようにいつもそばにいた涼がいなくなったら、あんなにも苦しくてたまらなくなるんだってこと…。