幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「だからー、そんな顔しないでよふたりとも!」
ねっ?と交互にユリとハルの顔を見ると、ふたりはうん、と小さく頷いた。
「あ、そうだ。昨日のドラマ見た?」
そして空気を変えようとあたしがサラッと話題を変えると、はじめは戸惑った顔をしていたけど、ちゃんとその話についてきてくれた。
「予告やばくなかったか?」
「やばかった!来週どうなるか超気になるよね」
それからしばらく、三人でなんだかんだとドラマの話をしていた。
だけどその時…
キキーッと響いたブレーキの音に、あたし達三人の視線が動いた。
隣の家の前。
止まった自転車。
そこにいたのは、今帰ってきたばかりの涼だった。