幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



だけどその時、何故かみのりと目と目が合って。

俺は思わず絡みついた岡崎の腕を離してしまった。



「もう昼休み終わりだよ!行こっ?」



それでも岡崎の腕はまた俺の腕に繋がって。

半ば強引に引っ張られるような形で教室へと戻ることになった。


そしてーーー


「私…みのりちゃんにヤキモチ妬いてるのかも」


教室に入る直前、隣からポツリと聞こえてきた岡崎の声に、正直すごく驚いて足が止まった。


「何でみのりに?ヤキモチ妬くような奴じゃないだろ」


慌ててそう言ってみたけど。



「ううん…妬くよ。だって幼なじみでしょ?涼くんとみのりちゃん」


今にも泣きだしそうな顔で岡崎は答えた。

やばい、今泣かれたら…またクラス中の注目の的だ。


「ただの幼なじみなんだから心配すんなって」

「でも…」

「あいつを女として見たことなんて一回もねーから」

「本当?」

「本当だって。だから変なヤキモチ妬く必要なし!」


俺がそう言うと岡崎は潤んだ瞳で俺を見て。


「うんっ」


言いながら、ニコッと笑った。






< 202 / 349 >

この作品をシェア

pagetop