幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
だけどその時、何故かみのりと目と目が合って。
俺は思わず絡みついた岡崎の腕を離してしまった。
「もう昼休み終わりだよ!行こっ?」
それでも岡崎の腕はまた俺の腕に繋がって。
半ば強引に引っ張られるような形で教室へと戻ることになった。
そしてーーー
「私…みのりちゃんにヤキモチ妬いてるのかも」
教室に入る直前、隣からポツリと聞こえてきた岡崎の声に、正直すごく驚いて足が止まった。
「何でみのりに?ヤキモチ妬くような奴じゃないだろ」
慌ててそう言ってみたけど。
「ううん…妬くよ。だって幼なじみでしょ?涼くんとみのりちゃん」
今にも泣きだしそうな顔で岡崎は答えた。
やばい、今泣かれたら…またクラス中の注目の的だ。
「ただの幼なじみなんだから心配すんなって」
「でも…」
「あいつを女として見たことなんて一回もねーから」
「本当?」
「本当だって。だから変なヤキモチ妬く必要なし!」
俺がそう言うと岡崎は潤んだ瞳で俺を見て。
「うんっ」
言いながら、ニコッと笑った。