幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


良かった…泣かれなくて。


とりあえずはホッとしたものの、午後からの授業はずっと上の空だった。


みのりにヤキモチを妬いていると言った岡崎の言葉が何度も何度も頭の中でぐるぐる回る。


そして…自分の言った、あいつを女として見たことなんてないって言葉も。

何故か何度も思い出してしまっていた。


ただの幼なじみなんだから心配すんなってーーー。

俺は岡崎にそう言ったけど。


幼なじみってなんなんだよ。

幼なじみって、普通と何が違うんだよ。

何でみのりにヤキモチ妬くんだよ。



幼い頃からずっと近くにいて、いつだっているのが当たり前で。

だから…みのりが近くにいることは俺にとっては普通の日常なんだ。


なのに、さっきみたいにみのりと話してるだけでもヤキモチ妬かれるのか?

あんなに泣きそうな顔をされるのか?


何だか腑に落ちない。


すごく面倒だと思ってしまっている自分がいた。


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