幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



学校では授業中以外はほとんど一緒。

放課後も、毎日のように一緒。


唯一朝だけはみのりと一緒に登校していたけど、最近は途中で岡崎が俺たちを待つようになって。

三人になると、何故か会話という会話もあまり弾まなかった。



そして休みの日も…

毎回遊ぼうと誘われていた俺は、次第にハルやみのり、ユリと過ごす時間がほとんどなくなっていった。




「ごめん、明日はちょっと予定があるんだ」



だけど6月半ばの金曜日。


明日はどうする?どこ行く?と岡崎に聞かれた俺は、初めて彼女からの遊びの誘いを断った。



「予定?なんの?」

「…家の。法事があるんだ」


そしてウソをついた。



「法事……そっか。じゃあ日曜日に遊ぼう!」

「あぁ、分かった」


少しの罪悪感にかられながらも、この場を切り抜けられたことに内心かなりホッとしていた。


だって明日は…

前から約束してたんだ。


みのりと…野球を見に行くことを。

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