幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「あ、涼ちゃん来たんじゃない?」
翌日の昼下がり、鳴り響いたインターホンのチャイムに、お母さんがニコニコしながら玄関へと向かった。
「もう、いちいちお母さんまで出なくていいってば」
そしてあたしも、言いながら玄関へ歩いていく。
「何だか今日カッコいいわね、涼ちゃん」
「えっ、マジで?」
「うん、カッコいいカッコいい!」
「ははっ、どしたの?おばさん今日超褒めてくれるじゃん」
ドアの向こうから聞こえてくる会話。
お母さんと涼の笑い声を耳にしながら、あたしはゆっくりと靴を履き、そして玄関のドアを開けた。