幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



「あははっ、ユリも思った?やっぱあたし達笑いのツボも同じだね」


みのりの笑顔を見て、何だかホッとしている自分がいた。


「だってさ、あのドッキリやばくない?普通逃げるよね」

「だよねー、ふふっダメだ、また思い出し笑いしちゃう」


みのりが笑っているだけで、それだけでただ嬉しかった。


ここ最近、ずっと元気がなかったみのり。

だけど昨日の夜、私に電話をくれて。


「いろいろ心配かけたけど、もう大丈夫だから」と話してくれた。


涼のことはもう完全にリセットしたのだと、私に言った。


本当は心配でたまらなかったけど、ふたりで野球を見に行ったことで、みのりの中で何かが変わったんだと思う。


「真鍋も見た?昨日のドッキリ」

「見た見た!あれやばくなかった?霊能力者のやつ」

「あははっ、やっぱりそうだよね?あれが一番面白かった」



だって、久しぶりに見た気がしたんだ。

こんなに大口を開けてケラケラ笑っているみのりを。


本当に楽しそうに笑う笑顔を。

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