幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「みのり、すっげー元気だったな」
「うん。久しぶりに見たよあんな顔」
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り、教室へ戻る途中。
ハルと私はそんな言葉を交わしながら歩いていた。
「まぁでも、カラ元気じゃなきゃいいけどな」
「もう大丈夫だと思うよ。だってほら」
私が立ち止まり、今歩いてきた方を振り向くとハルの足も自然と止まる。
「ねっ?」
休み時間も終わったというのにB組の中から聞こえてくるみのりの笑い声。
それを聞いたハルは、クスッと笑って。
「そうだな」と、一言つぶやいた。
私達が気にしていたら、みのりが前に進めない。
前を向いて歩き出そうとしているのなら、その背中をゆっくりでもいいから押してあげたいと思った。