幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
なんてねーーー。
もうリセットして前を向いているみのりのためにも、もうこれ以上は余計なことを考えるのはよそう。
いいんだ、みのりが笑ってたら。
それだけで…いいんだから。
友達になってからずっと、みのりは私にとって本当に大切な存在だった。
小学三年生を迎えた春、私は旭町に引越しをしてきて。
慣れない土地、知らない人ばかりの町。
毎日不安ばかりだった。
だけど、転校してきてすぐに、みのりが私に最初に声をかけてくれたんだ。
「仲良くなりたいなぁ、友達になってくれる?」
そう言って、微笑んでくれた。
それからみのりは毎日たくさんのことを教えてくれた。
みんなが行っている駄菓子屋の場所、公園までの近道。
危ないから行っちゃダメだと言われているところ。
みのりの家族。
幼なじみの涼。
それから涼と仲の良いハル。
みんなに私のことを友達だと紹介してくれた。
不安ばかりだった心は、みのりのおかげで次第に変わっていった。
毎日が楽しくなった。
旭町に来て良かったと思った。
あの町が好きになった。
みのりのことが…
大好きになっていった。