幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


なんてねーーー。


もうリセットして前を向いているみのりのためにも、もうこれ以上は余計なことを考えるのはよそう。


いいんだ、みのりが笑ってたら。

それだけで…いいんだから。


友達になってからずっと、みのりは私にとって本当に大切な存在だった。


小学三年生を迎えた春、私は旭町に引越しをしてきて。

慣れない土地、知らない人ばかりの町。

毎日不安ばかりだった。


だけど、転校してきてすぐに、みのりが私に最初に声をかけてくれたんだ。


「仲良くなりたいなぁ、友達になってくれる?」


そう言って、微笑んでくれた。


それからみのりは毎日たくさんのことを教えてくれた。


みんなが行っている駄菓子屋の場所、公園までの近道。

危ないから行っちゃダメだと言われているところ。


みのりの家族。

幼なじみの涼。

それから涼と仲の良いハル。

みんなに私のことを友達だと紹介してくれた。



不安ばかりだった心は、みのりのおかげで次第に変わっていった。


毎日が楽しくなった。

旭町に来て良かったと思った。

あの町が好きになった。


みのりのことが…

大好きになっていった。


< 231 / 349 >

この作品をシェア

pagetop