幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「あのさ…立花のことなんだけど」
「みのり?」
「うん…」
一瞬の沈黙があって。
様子がおかしい真鍋に私は再度聞いた。
「みのりがどうしたの?」
すると、真鍋はゆっくりと視線をこっちに向けて。
真っ直ぐ目を合わせながら私に言った。
「あの西崎 涼って奴、D組の岡崎と付き合ってるらしいけど…あいつと立花って、本当に何もないの?」
「えっ?あぁ…うん」
「じゃあ本当にただの幼なじみ?」
「まぁ…そうなんじゃないかな」
「そっか」
真鍋の表情が、何だか緩んだような気がした。
「そっかそっか。じゃあ、遠慮せずにいけるってことだな」
そしてその言葉を聞いた瞬間、緩んだ真鍋の表情の意味がなんとなく、いや確かに分かってしまった。