幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



正直言うと、私は真鍋の気持ちを知ってもあまり驚いていなかった。


B組をのぞけば、いつも真鍋はみのりの近くにいて。

最近じゃ、いない時の方がおかしいっていうか。


だけど、アリサちゃんと真鍋も幼なじみだから…もしかしたらみのりと涼みたいに、どちらかがどちらかを想っているなんてこともあるのかもな…って。

そんなことを考えたこともあった。



でも、アリサちゃんには中学時代から付き合っている彼氏がいるらしい。


だからあっちは、本当にただの幼なじみのようだ。



「あー!ユリー!」


その時、廊下の向こうから聞こえてきたみのりの声に顔を上げると、小走りで駆け寄ってくるみのりとその後をついてくるアリサちゃんの姿が目に飛び込んできた。


「ごめん、教室のぞいてくれてた?」

「うん、いなかったから戻ろうかと思ってたとこ」

「そうなんだ。っていうかさ、あたし達数学の補習受けなきゃいけなくなってさー」

「本当やんなっちゃうよね…ユリっぺ代わってよー」

「あははっ、絶対やだ」




廊下に響く私達の笑い声。

それから昼休みが終わるまでずっと三人でくだらない話をして笑い合った。



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