幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「あ、涼さっきの画像送ってよ。あたしも今から送るから」
「はいはーい」
お互い携帯の画面を見ながら、さっき撮った画像を送り合う。
「きたきた、ありがと」
「おー、こっちもきた」
「っていうか涼、本当に結構背伸びたよね」
「だろ?」
ふたりで写してもらった画像を見ながら涼と話していると、話し込んでいたはずのお母さんが横からひょこっと画面をのぞいてきた。
「あら、いい写真じゃない。送ってちょうだいお母さんにも」
そしてお母さんがそう言うと。
「本当、綺麗に撮れてるわね、お母さんにも送って」
涼のお母さんも同様に、涼にそう言っていた。
「はいはい」
「はいはい」
そして、ふと重なった涼とあたしの返事。
その声に、お母さん達はあははっと大きな声で笑う。
「兄妹みたいね」
「本当そうね〜息もピッタリだし」
「生まれた頃からずっと近くにいるもんね」
「そうよね、もう16年だもん。そりゃ息も合うわよ」
笑いながらお母さん達が交わす言葉。
「別に合ってないし」
「別に合ってねえし」
…えっ?
「あははっ」
「ほらぁ〜?ねっ?ピッタリじゃない」
また重なったあたし達の声。
お母さん達はツボに入ってしまったのか、しばらくずっとケラケラと笑っていた。