幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「って…いきなりこんなこと言っても困るだけだよな、ごめん」
気まずそうな表情を浮かべた真鍋はそうあたしに謝ってきたけど。
「ううん。ありがとう、あたしなんかのことを好きだなんて言ってくれて」
あたしが真鍋にそう言葉を返すと、真鍋は目尻をくっと下げながら言った。
「そんなこと言ったら俺グイグイ押してくぞ?」
「えっ?」
「真っ直ぐだけが取り柄だから、俺」
「…うん」
「好きなもんは好き。直球勝負でバンバンストレート投げてくから」
真鍋はそう言うと、突然あたしの手を掴んで。
そして…ギュッとそれを握り、歩き出した。
強く繋がれた手。
あたしは一瞬の出来事に戸惑いながらも、その手を離すことが出来ないまま真鍋と一緒に歩き出した。