幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


そしてその時を境に、あたしは真鍋をただの友達ではなく…ほんの少しだけ意識していくようになる。


例えば授業中、視界に入ってくる真鍋の背中にふと目がいくようになったり。

例えば休み時間、真鍋があたしの席まで来ると、以前とは違って緊張するようにもなった。


好きだなんて言われたせいで、意識せずにはいられないのだ。



「そうなんだ?行動が早いね、真鍋は」

「えっ?何、ユリ知ってたの?」


それから数日後のお昼休み。

あたしはユリとふたりで校庭のベンチで肩を並べて座っていた。



「うん、知ってた。本人が言ってたの、みのりのことが好きだって」

「えぇっ⁉︎」


そうなんだ…真鍋、ユリには話してたんだ?



「で?どう思ってるの?みのりは」


ユリはそう言うと、視線をおとしていたあたしの顔を隣からのぞきこんできた。


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