幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「いいじゃん、撮ってもらおうよ」
あの時…撮りましょうか?なんて声をかけられて、正直めんどくさかった。
何でわざわざ撮ってもらうんだよ…って思ってた。
だからなのか、画面の中の俺は笑ってない。
笑顔でピースするみのりの隣に、ただ突っ立っているだけだ。
何でこいつ楽しそうに笑ってんだよ…
画面の中にいるみのりの顔に指先が触れた。
そしたら…ずっと昔から知っているみのりの笑顔が、画面いっぱいに大きく映し出された。
そういや最近…こいつの笑った顔ってあんまり見てないかもしれない。
朝は一緒に出発するけど、途中からすぐに岡崎が合流するし、そしたらみのりはスーッと俺たちの前を走るようになってて。
駐輪場に着いたら俺たちよりも先に教室に向かっていって。
それから…休み時間もほとんど顔を合わせることがなくて。
帰りだってそう。
一緒に帰ることが減っているせいか、みのりと一緒にいる時間は毎日ほんの少しだけになっていて…