幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
ゲームの音だけが部屋に響いている。
俺もゴロンと体を倒し、天井を見つめた。
「みのりさ」
「えっ?」
「あいつって真鍋と付き合ってんの?」
涼も天井を見つめたまま俺にそう聞いてきて。
「昨日もさ、家の近くのコンビニにであいつらふたりを見たんだ」
何故かそんな報告をしてきた。
「付き合ってるって話は聞いてないけど」
「そっか」
「でも、好きだってことは言ったらしい」
「誰が?」
「真鍋がみのりに。夏休みに入る前、真鍋がそう言ってた」
「へぇーっ…」
少しの沈黙が続き、俺は心の中でハッとした。
涼…もしかして…
「イライラの原因ってそれか?」
「えっ?ちげーし」
「みのりと真鍋のことでイライラしてたんじゃねーの?」
「だから違うって。そんなんじゃねーから」
涼はそう言いながらスッと体を起こすとすぐに立ち上がって。
「そろそろ帰るわ。」
そして、急ぐように家から帰っていった。