幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「8時からだって」
すぐ隣から聞こえた真鍋の声に思わずハッとした。
「あっ、そ、そうなんだ!じゃああと40分くらいかぁ」
だけどすぐに冷静になり、残っていたかき氷を食べた。
あたしには…もう関係ない。
あのふたりのことなんてどうでも良いことだ。
「あ、立花唇赤くなってるぞ」
「ははっ、真鍋は青くなってるよ」
「バイキンマンみたい?」
「ふふっ、何それ」
かき氷を食べ終えたあたしたちは、お互いの唇や舌の色が変わっていることでケラケラ笑い合った。
真鍋は優しい。
いつも優しい。
あたしを笑わせてくれるし、真鍋もいつも笑顔だし。
好きだと言われたあの日から…良いところばかりをたくさん見たしたくさん知った。
少しずつかもしれない。
少しずつ…好きになれそうな気がしてきていた。