幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


あの日以来、真鍋はあたしに触れてはこなかった。

グイグイ押すとか言ってたわりに、あの時以来手を繋がれることはなくて。

きっと、あたしのためにゆっくり進もうとしてくれてたんだと思う。


そう思うと、胸が苦しくなった。


優しくて、いつも笑ってて。

まっすぐで、思ったことを思ったままに伝えてくれる。


好きになりたい。

好きになれる。

きっとなれる……ずっと…そう思ってた



思ってたのに……


何でなんだろう。


何であたし……


我慢出来なかった。気付いたら瞳いっぱいに涙が溜まっていた。


瞬きしたらすぐにこぼれそうなほど、涙が溢れてくる。


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