幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



「おかえりー」

「あ、そうそう!」


帰ってきてすぐに、お母さんは何かを思い出したかのようにバタバタと足音を立てながらリビングから出て行った。


そしてーーー。



「これこれ、さっき話してたふたりのアルバム」



リビングに戻ってきたお母さんは、大きなパステルピンクのアルバムをあたしの膝の上にぽんっと置いて。



「ふたりの赤ちゃんの頃からの写真を貼ってるの。お母さんちょっと涼ちゃんのお母さんと駅前に買い物行ってくるからゆっくり見てなさい」



そう言うと、またすぐに家を出て行った。


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