幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


ゆっくり見てなさいってさ…。

別に見たくもないんですけど。


静かになったリビング。

膝の上に置かれたアルバムに、なんとなく視線を落とした。


ふたりのアルバムねぇ…



「はぁっ…」


仕方ない、見てあげるか。


ため息をつきながら、あたしはゆっくりとアルバムを開いた。



最初の1ページ目にはーーー

生後3ヶ月。
1月20日生まれの涼くん。
1月29日生まれのみのり。


と書かれたチューリップ型の紙と、並んで寝ているふたりの赤ちゃんの写真が貼られていた。


涼とあたし、こんなだったんだ?


ほとんど同じ大きさで同じような顔をして眠っている。

その姿は、自分で思うのもなんだけどとても可愛かった。


そして、またページをめくると、次は生後6ヶ月。

そこには目を合わせて無邪気に笑う、あたしと涼の姿が写っていた。


生後9ヶ月には座っている写真やハイハイしているような写真。


1歳の誕生日、と書かれたページにはふたりで並んで立つ写真と、ケーキをじーっと見つめるあたしと涼のアップの顔が映っていた。


< 30 / 349 >

この作品をシェア

pagetop