幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
ゆっくり見てなさいってさ…。
別に見たくもないんですけど。
静かになったリビング。
膝の上に置かれたアルバムに、なんとなく視線を落とした。
ふたりのアルバムねぇ…
「はぁっ…」
仕方ない、見てあげるか。
ため息をつきながら、あたしはゆっくりとアルバムを開いた。
最初の1ページ目にはーーー
生後3ヶ月。
1月20日生まれの涼くん。
1月29日生まれのみのり。
と書かれたチューリップ型の紙と、並んで寝ているふたりの赤ちゃんの写真が貼られていた。
涼とあたし、こんなだったんだ?
ほとんど同じ大きさで同じような顔をして眠っている。
その姿は、自分で思うのもなんだけどとても可愛かった。
そして、またページをめくると、次は生後6ヶ月。
そこには目を合わせて無邪気に笑う、あたしと涼の姿が写っていた。
生後9ヶ月には座っている写真やハイハイしているような写真。
1歳の誕生日、と書かれたページにはふたりで並んで立つ写真と、ケーキをじーっと見つめるあたしと涼のアップの顔が映っていた。