幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「って何言ってんだろ、私」
アリサちゃんはそう言うとクスッと笑って。
「私の場合、何かあいつが弟みたいに思えてさ。見てられなくて」
「…うん」
「なんかお節介なお姉ちゃんみたいだよね、あははっ、ウザ!私」
そう言いながらまた、笑いとばした。
アリサちゃんと真鍋も幼なじみ。
だからこそ、大切なんだ。
アリサちゃんと真鍋の間に恋心みたいなものはないけど、それと同じくらいの繋がりや想いがあるんだろうと思った。
「さっ、じゃあ続きやろっか!」
アリサちゃんは何もなかったかのようにパッと明るくなって、ペンキ塗りの続きを始めて行く。
そしてあたしも、複雑な胸の内を隠すように笑顔でまたペンキを塗り始めた。