幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
いつだって真っ直ぐで。
いつだって優しくて。
いつだってあたしに笑ってくれていた。
こんなあたしを好きになってくれた。
他の人を見ていたあたしを…ずっと好きでいてくれた。
「ごめ…ねっ……」
涙が止まらなかった。
どうしてもっと上手く生きられないんだろう。
真鍋を好きになれば、きっとあたし…絶対に幸せなのに。
どうして上手く生きられないんだろう。
苦しいはずの恋を…終わらせることが出来なくて。
どうして…
「先帰れ。すぐにアリサが戻ってくる」
「…っ…」
「雨もひどくなってきてるし…なっ?」
真鍋はそう言うとあたしにカバンを持たせ、そっと背中を押してくれた。