幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



「…っ…」


必死で我慢しても、もう涙が止まらなかった。

夢を見ているのかと思った。


だって涼があたしのことを大事だって。好きだって…言ってくれた。


信じられなかった。

ただ嬉しくて……涙があふれた。



「ごめん……。いきなりこんなこと言われてもビックリだよな!ごめんな…お前の気持ちも考えずに…困らせるようなこと言って」


「…っ…」


「泣くなって。お前には真鍋がいるって、俺…ちゃんとわかってるし…」


「…違うのっ…」



伝えたいことが、たくさんあるのに。

うまく言葉が出て来ない。


泣きながら、ヒクヒク乱れる息を整える。



「あたしもねっ……」


「うん」


「涼のこと…ずっと好きだったよ」



ずっと。

ずっとずっと、胸につかえていた気持ち。

それを吐き出すと、スーッと心の中が軽くなっていく。


「だから涼が…岡崎さんと付き合うようになってからは本当に苦しくて……幼なじみなんてやめちゃいたいって…何度も思ってた」


「えっ⁉︎」


涼は何故か目をまん丸にして驚いている。



「……涼は全然、気付いてなかったと思うけどさ」



やっと言えた。

素直になれた。


ありのままの思いを伝えられた。


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