幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
ねぇ、涼。
一生…ずっとそばにいられるなんてすごいね。
そんなの幼なじみにしかできっこない、本当の特権だ。
「だから…ずっと一緒にいような」
「うん。ずっとずっと一緒にいる」
涼の腕の中であたしは頷きながら笑顔でそう答えた。
これからもまた、季節は移り変わっていく。
暖かい春。
暑い夏。
涼しい秋。
寒い冬。
そうやってまた、ぐるぐる巡っていく。
だけどこの先もずっと、どんな時も一緒にいようね。
涼がいるだけで、それだけで…
あたしはきっと、ずっと幸せだから。
また、春が来たらここへ来よう。
そしていつか…
恋人から夫婦になったあのふたりのように、あたし達にも家族が出来たらいいな。
夢みたいだけど、でも…
叶う気がするんだ。
涼となら、叶えられるような気がするの。