幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「遅っ!8時1分なんですけどー。遅れんなって言ってたの誰でしたっけー?」
翌日の朝。
涼よりも先に家の前に出ていたあたしは、出てきた涼にチクチクと嫌味を言った。
「たかが1分だろ、文句言うなよ」
「あっそ!じゃああたしが1分遅れても文句なしで待っててね」
「…分かったっつーの。ほら、行くぞ?」
走り出していく自転車。
学校までの道のりを、涼とふたりで進んでいく。
これから三年間、毎日これが続くのか…
本当、暑い夏とか寒い冬とか嫌だな…
今みたいなこんな季節は走ってるだけでも気持ち良いけど。
あの桜並木の道を通り抜けていると、穏やかな春風にそんなことを思った。
でも、雨の日なんかは自転車通学にはキツイよなぁ…。
雷なんて鳴った日にはもう学校行ける気がしないや。