幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



別にそんなに怒んなくてもいいじゃん!


離れていく涼の後ろ姿を見つめながら、ひとりで進む学校までの道のり。



「みのりー!」


その時後ろからユリの声がして。


「おはよー!ユリ」

「おはよ」



あたし達は横並びになって、なんだかんだとさっきの話をしながら一緒に登校した。



「でもさ、別にそこまで怒んなくてもよくない?」

「まぁね…でも涼は今でも気にしてるんじゃない?」


学校に着いて、駐輪場に自転車をとめていた時。

ユリの言った言葉が理解できず、あたしは、ん?と首を傾げた。



「三年生の時だったっけ?みのりが事故にあったの」

「あぁ…あれかぁ…うん。小学校三年生の夏休み」



ユリと昔の話をしながらふたりで並んで教室まで歩いていく。



「あの時涼、相当落ち込んでたしね」

「えっ?なんで?」

「ハルと私に言ってたの。みのりが事故にあったのは俺のせいだって」



…えっ?なんで?



「え?別にあれ、涼のせいなんかじゃないよ?あれはあたしが勝手に信号を無視して走ってしまったから…」



そうだよ、涼は何も悪くない。


なのに何で?

どうして涼は自分のせいだなんて言ったの?



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