幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



あたしと涼みたいな関係って、結構他にもいるもんなんだな…。

授業中、ぼんやりとそんなことを考えていた。


「みーのーりっ!」


そして、気がついたら授業はあっという間に終わっていて。

聞こえてきた声に顔を上げると、教室の入口にユリの姿を見つけた。



だからすぐにサッと立ち上がり、あたしは廊下へと出た。


「どう?今日は誰かと話せた?」

「大丈夫か〜みのり?」


そしたらユリの隣にはハルもいて。



「それがね、聞いてくれる?」



ふたりに話し始めようとしたその時、後ろからは涼の声がした。



「どうせまだ1人もノルマ達成できてないんだろ?」


そしてその声に振り返ると、涼はニヤッと笑って。


「ノルマ2人に減らしてやろうか?」


そう言ってあたしを見下ろした。



「ふんっ、ノルマ2人なら余裕でクリアしましたけど」

「えっ?」

「できたもん、友達」

「マジ?」

「うん」



あたしがそう言うと涼はクスッと笑って。


「そっか、良かった」


小さな声でつぶやくように言った。


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