幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「なぁ涼、佐々木可愛いよな」
「おー、可愛い。でも俺はD組の中だと岡崎の方がタイプだな」
「はぁ?Dの中だったら断トツで私でしょ?」
「はいはい」
「そーですねー」
「ちょっと何よ、その適当な返事!」
ユリも涼もハルも、男女の壁なんて全くないように仲が良くて。
友達って、性別とかそういうものは関係なく気がついたらなっているものなんだなぁって三人を見ていると改めてそんなことを思った。
「ユリ、かっこいい人はいないの?D組に」
「それがさぁ〜、全くいないの!普通はひとりくらいいるじゃん?」
「まぁね、ひとりくらいはいるもんだよね」
「でしょ!?なのにいないんだよ、テンション下がっちゃうよー」
廊下の窓を開けながら、頬をぷっと膨らませたユリ。
その顔を見てクスッと笑っていると、後ろから涼とハルが言った。
「だって俺らがツートップじゃん?」
「そうそう、俺らがいるだろ」
自信たっぷりなふたりの言葉。
ツートップ?どこからそんな自信が出てくるんだか。
ユリと同じように廊下の窓を開けたあたしは、ふぅっと呆れながら息を吐いた。