幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
そして、その日の帰り道。
「なんか機嫌悪くね?」
「別に」
ユリとハルと交差点で別れたあたし達は、ふたりで並びながら家までの道を進んでいた。
「別にって絶対なんか怒ってんじゃん」
「怒ってないし」
「だったら何でそんな態度なんだよ」
「…元からこんなんですけど」
前を向いたままあたしがそう言うと、涼はいきなりキキーッとブレーキをかけた。
「止まれよ」
そして大きな声でそう言われたあたしは仕方なく止まって。
「何よ」
振り返りながら言うと、あたしの止まった場所まで涼はスーッと自転車で進んできた。
「何かした?俺」
「別に」
「言いたいことあるなら言えよ」
「…ないし」
「じゃあそんな態度すんなよ、こっちまでむかついてくるだろ」
…何で涼がむかつくわけ?
あんたが悪いんじゃん。