幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「かっこいいとか言われて調子に乗ってんじゃないわよ」
「は?」
「女子に囲まれて鼻の下のばしてたんでしょ?」
「えっ?何言ってんのお前」
我慢できなくて、つい言ってしまった。
だけど涼は、キョトンとした顔であたしを見ている。
「ユリのこと、放置しないでよ」
「えっ?ユリ?」
「うん…。ユリ、まだ女の子の友達できてないんでしょ?」
「あーっ…でもあいつは俺らがいるし」
「涼とハルは男じゃん。それに…あんた達と仲良いからか、女子が話しかけてくれないって」
「え?何で俺らと仲良いから話しかけてくれないわけ?」
「…それは…もう!そんなの知らないわよ、あたしも。とにかくさ、ユリのことひとりぼっちにしないで。新しい環境だし…ユリもいろいろ不安になっちゃうんだよ」
あたしがそう言うと、涼は「うん」と言って。
下を向いてクスッと笑ったかと思ったら、顔を上げてあたしをジッと見つめた。