幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
それを思い出した途端、改めて岡崎さんを見てみた。
確かに可愛い、どちらかといえば綺麗な子だ。
いや…本当に綺麗かも。
スラッとした手足に白い肌。長いストレートの髪はツヤツヤで見るからにサラサラしている。
へぇーっ、涼、こういう子がタイプなんだ?
「涼くん今帰り?」
「あ、うん…」
「地元旭町だっけ?」
「うん、岡崎は?」
「私は元町」
「そっか…」
あたしがいるからか、少しぎこちないふたりの会話。
なんとなく邪魔をしてはいけないと思い、そっと涼から離れようとした。
「彼女…さん?」
だけどその瞬間、目が合った岡崎さんにそう聞かれて。
「えっ、あ、いや…あたしは」
びっくりしたあたしは戸惑いながら言葉を返そうとしていた。
「なわけないじゃん。本気でないない!こいつはただの幼なじみ」
だけど、先に涼にそう言われて。
「そ、そうそう!こんなやつ彼氏なわけないから。幼なじみです、ただの」
あたしも慌てて言葉を続けた。