幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



「ま、お前ならすぐ友達出来るって」

「えっ?」

「だからそんなシケた顔すんな。何かあったら俺らでもユリにでもすぐ言ってこい」



涼はそう言うと、さっさとD組の方へと歩いていく。



「ちょっと涼!」

「また後でな〜」


呼び止めの声なんてまるで無視。


歩いていく涼の後ろ姿を見つめながらあたしははぁっとため息をこぼした。



「ま、涼も言ってたけどみのりならすぐクラスに友達出来るって」

「そうそう、それに私達もいるし。とりあえずまた後でね!」



ハルとユリもそう言うと、涼のあとを追いかけるように歩いていった。



今日は、栄進高校の入学式。

今日からあたし達は高校生になった。

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