幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「そうなんだ⁉︎じゃあ…」
岡崎さんはそう言うと、ニコッと笑って涼を見て。
「涼くん、携帯教えてよ?交換しよっ♪」
甘えた声で涼のそばに寄り添うように近付いてきた。
「えっ?あぁ、うん。いいよ、どこの携帯?」
「えっとねぇ」
くっつきながら楽しそうに携帯を触るふたり。
なんだかその場に居づらくなったあたしは、カフェオレを手にしたまま本が並ぶ場所へと移動した。
だけど…
時折聞こえてくるふたりの笑い声。
耳に入ってくるたび、感じたことのない不思議な気持ちでいっぱいになっていく。
ギュッと締め付けられるような胸の痛み。
適当に取った雑誌をパラパラとめくりながら、この不思議な痛みが何なのか、あたしはただただじっと考えていた。
ーー「なわけないじゃん。本気でないない!こいつはただの幼なじみ」ーー
確かにそうだけど…あんなに全力で否定するような言い方されたらなんかむかつく。
ま、誤解されちゃ困るもんね。
タイプの女の子だし、全力で否定したくもなるか…。