幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



「何買うか決めた?」


しばらくぼーっと雑誌を見ていると、やっと涼が声をかけてきた。


「うん、これ」


持っていたカフェオレを涼に押し付けるように渡すと、あたしは雑誌をパタンと閉じて先にひとりでコンビニから出た。


もう帰ったのか…。

外から店内を見ていると岡崎さんの姿はもうどこにも見えなくて。

周りにもいないことを確認するとホッとしたような不思議な気持ちを感じている自分がいた。



ーーーその時だった。



「立花?」


えっ?


いきなり後ろから声がして、名前を呼ばれたあたしが思わず振り返ると。


「あーっ!」


そこにいたのは、クラスメイトの真鍋だった。


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