幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「えっ、いいよ、一緒に帰るし」
だけどあたしがそう言うと涼はすぐに自転車にまたがって。
「じゃあまた明日ね」
「あぁ、また明日」
言葉を交わすあたし達をキョロキョロしながら交互に見ていた。
「じゃ、行こっか」
「おー」
そして、あたしも自転車にまたがり、涼と走りだそうとした。
ーーーその時だった。
「立花!」
真鍋に呼び止められて、ペダルにのせていた足がまた地面に戻る。
「どしたの?」
「あぁ…その………」
呼び止めてきたくせに、真鍋はまさかの沈黙。
「えっ?何?」
「いや…その……そいつ彼氏?」
…えっ?
そして予想外の言葉にあたしは思わずぷっと吹き出してしまった。