幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「いってきまーす」
朝の8時ちょうど。
そう言って家を出ると、同じタイミングでみのりも隣の家から出てきていた。
「おは」
「……」
だけど声をかけたのにみのりはそれをあからさまに無視。
「おい、おはようって言ってんだから無視すんなよ」
「……」
そしてさらに無視。
何だよ朝っぱらからツンツンして。
呆れながらため息をつくと、俺は自転車にまたがった。
やっぱ昨日のことまだ怒ってんだ。
まぁ確かに…俺も悪かったか…。
仕方ない。謝ろう。
「昨日は悪かっ…」
だけど言いかけた次の瞬間、みのりは何も言わずに先に走り出して行って。
俺は苛立ちながらその後ろを追いかけた。