幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「はぁ?」
そしたらようやくみのりが口を開いて。
「別にあんたに可愛いとか思われなくてもいいし」
そう言ってジロッと俺を睨んだ。
あー!マジで可愛くねえー!!
「お前そんなんだと彼氏できねーぞ」
「ほっといてよ!」
「はいはい、ほっときますー」
「本当ムカつく。岡崎さんにあんたの性格の悪さ教えてあげたいよ」
「はぁ?何で岡崎、っておい!待てよ!」
信号が青に変わり、みのりは言いかけた俺の言葉を無視して先に走りだしていく。
「…んだよ、あいつ…」
ボソっと呟いた俺も、その後ろ姿を見つめながらゆっくり信号を渡った。
「涼〜!」
「お!ハル!おは」
そして信号を渡りきった時、偶然ハルと一緒になって。
「あれ?みのりは?」
「知らねえよ、あんな奴」
「えっ?なんだよケンカでもした?」
「…別に。っつーかさ、ユリのことなんだけど」
説明するのも面倒くさかった俺は話題をさっとすり替えて、昨日のユリの話をハルに伝えた。