幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「おはようユリ」
「お…はよう」
ユリにしては珍しくおとなしめの声。
女子三人が俺のすぐそばにいるからか、なんだかユリは気を使っているように感じた。
「テンション低っ!お前朝飯食ったか?」
「えっ?あぁ…食べたけど」
「何食ったんだよ」
「何って…パンと目玉焼きと…って何で涼に朝ごはんの報告しなきゃなんないのよ」
だけど俺の言葉を聞いたユリはいつもの顔で笑いながら答えて。
「ちなみに俺はおにぎり4つ食ってきたぞ」
ユリの隣に立つハルがそう言った瞬間、ハルのお腹をぽんっと叩いた。
「食べ過ぎじゃない?太るよ」
「お前と違って太らない体質なんでご心配なく」
「はぁ?」
「あははっ、ごめんごめん、怒んなってば」
いつもの光景。
昔っから見ている、いつものやりとりだ。