幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


「ふぅーっ」


一度深呼吸をして、ドキドキしながらB組の教室へと足を踏み入れたあたしは、キョロキョロしながら自分の番号の11番が貼られている机を探した。



8、9、10…あった!


11番を見つけた瞬間、ホッと胸を撫で下ろし、恐る恐るその席へと座る。



「担任結構若いらしいよ」
「でも男だろ?」
「うん、近藤雄二ってどう考えても男でしょ」
「若くても男には全く興味ねえわ」


すると、同じ中学出身の人達なのか、後ろに集まっている男女四人が仲良さそうにお喋りをしている声が聞こえてきた。



いいなぁ…

ユリ達も今、あんな感じなのかな…



賑わう教室の中で、初めて感じた一人ぼっちな気分。


小さな不安がどんどん大きくなっていく。


本当にこのクラスで友達出来るのかな?

どうしよう…ずっとぼっちだったら。


ポケットから携帯を取り出すと、あたしはユリにメールを送った。


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