幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜



えっ⁉︎何?



突然ガチャ、とノックもせずに開いたドアに思わず体がビクッと反応した。



「ちょっとひかる!ノックぐらいしてよ」

「あ、ごめん」



開いたドアからは、ひょこっと顔を出した弟ひかるの姿があった。


「涼兄が姉ちゃん呼んできてくれってさ」

「えっ…涼?」

「うん、家の前で待ってるよ」

「…分かった、ありがと」



あたしがそう言うと、ひかるはゆっくりとドアを閉めた。


一体何の用なのよ…


そう思いながら部屋の窓からそっと下をのぞいてみると、本当に家の前には涼がぽつんと突っ立っている姿が見えた。


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