幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


【超不安なんだけどー!話せるような子がいない…誰も話しかけてくれないし】


【みのりから話しかけてみたらどう?みんな最初は緊張してるんだよ☆涼とハルなんて早速囲まれちゃってるよ(笑)】


【えっ⁉︎囲まれてる?ケンカ⁉︎】


【違う違う(笑)あのふたりうるさくてバカだけど面白いからか?みんな集まってきてる】



…そうなんだ。


ユリから返ってきたメールを見た瞬間、頭の中ですぐにその光景が浮かんだ。

想像できた。

あのふたり、いつもそうだもん。


小学生の時も中学の頃も。涼とハルが揃ったら、いつだってクラスの中心みたいになって。


とにかくみんなを笑わせて、明るくまとめて。

そのクラスは、すごく楽しいクラスになるんだ。



ゆっくりと視線だけを動かしながら、あたしは教室の中を見渡した。



やっぱり…ユリ達と同じD組が良かった。

涼もハルもいる、D組が良かった。


担任の先生が教室に入ってきて、自己紹介や入学式の説明などをしている間も、あたしはずっとそんなことばかりを考えてしまっていた。

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