幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「みーのりっ!」
「どした?何か暗くね?」
そんなことが度々ある中、教室に戻ったあたしにいつも明るく声をかけてくれていたふたり。
それはアリサちゃんと真鍋で。
「そう?超元気だよ?」
「ははっ、本当にぃー⁉︎」
「じゃあテンションあげてこーぜ!とりあえずしりとりだ。芸能人の名前しりとり!」
「あははっ、名前しりとり?」
真鍋の突拍子もないしりとりの提案に、不安も不満も忘れて思わず笑ってしまった自分がいた。
「っていうか芸能人の名前とかいっぱいありそうじゃない?」
そしたらアリサちゃんもそう言ってケラケラ笑って。
「じゃあ俺から。マツモトキヨシ」
「は?それドラックストアでしょ」
「え?そうだっけ?」
ふたりのこんなやりとりを毎日見ていると、なんだかホッとするようになっていった。
ふたりはいつも優しくて面白い。
このふたりが同じクラスにいてくれるだけで今のあたしは救われているような気がした。