幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
あのD組の輪の中に飛び込むより、ここにいる方がずっといい。
わざわざ知らないD組の会話に愛想笑いする必要もないしーーー。
開いていくユリ達との距離。
それを確かに感じながらも、あたしはもうそれを自ら埋めようとはしなかった。
「みのり!帰ろっ!」
だけど、下校する時だけは毎日変わらずユリが迎えに来て。
ふたりで駐輪場に行くと、あたし達を待つ涼とハルがいつもそこにいた。
帰り道だけは変わらなかった。
四人だけでいることができた。
だからかな?
いつからか、思うようになってたんだ。
もっともっとあたし達の地元が遠かったらよかったのに。
そしたらもっともっと、帰り道が長くなる。
四人だけでいられる時間が増えるのに…ってーーー。