終わりのない物語~短編集~
透視少年


「ずっと友達でいようね!」
明日、お前ら喧嘩別れするぞ。

「大好き。」
その人の社会的地位がいいんだろ。


希望、夢、愛、友情。
そんなキラキラした物に囲まれている同い年の子供たち。無垢な笑顔で何も知らず己の未来の幸せを信じて疑わないんだ。


「俺だって、―――。」

何度そう思ったか。もう数えるのにも飽きた。



―――俺だって、視えなければ。

人と目を合わせると、そいつの持っている色。
そいつの今思っていること。

そんな現在のことはもちろん、
未来のことも分かる。

情報の渦が俺に襲い掛かる。


もう、視覚を失ってしまいたい。


分からないから、期待をするし、約束をする。
分からないから、相手を信じたり、相手を思いやるんだ。

なのに。


視てしまえば、汚いものばかり。
平気で嘘をつくし、裏切るし、傷つける。


俺ってば、小学生にしてはかなりませてる。
大人ぶるわけじゃない。

視えてしまえば、嫌でも思い知らされる。
―――世の中の汚さ。

それを何となく感じているのか
「子供らしくない」という大人たち。



「…死にたいな…。」

そんなことを思う俺はまだ小学生。


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霊感少年に続き、今度は透視能力をもつ小学生です。不幸体質な気がします。ませている分、グレちゃいそう…。
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