終わりのない物語~短編集~
不良少年
「確かにこっちの方に行ったはずだ!探せ!」
ーーーバタバタバタ
何人もの足音。
「…ハァ……ッ……ハァ…」
その全てが俺を探している者たち。
そいつらの崇める総長とやらを
イラつきに任せて殴れば、追われる身になった。
一昨日。
ダチの車に乗ってブラブラ。
男だけのドライブってどうよ…。はぁ。
その前の日、親と揉め
苛立っていたのに、道は渋滞で。
もうイライラMAXだった俺は傍から見ればヤンキー。
派手な頭に、たくさんのピアス。
”チャラい””近ごろの若者は…”
そんな感じ。
それに加え、それはもう雷が落とせそうなほど苛立っていたから
怖がって誰も近づいて来なかった。
そんな時に総長の方が俺にぶつかってきた。
でも別に気にしていなかった。
重要だからもう一回いうが、
総長の方が!俺に!ぶつかってきたんだ。
なのに、あの野郎
「いってぇな!あ゛?!」
なんてキレてきた。
いつもなら、こんなのスルー。
でもこっちだってイライラしてる時に
んなこと言われたもんだから、ここぞとばかりに怒りを爆発させた。
「うぜぇんだよ!!喚くなや!!」
顔に一発(折れないように最低限の配慮はした)、
そんで回し蹴り一発(折れないようn…)
イライラをぶつけた俺はもうスッキリ!!
なんて言ったらいいかな…
天にも昇る気持ちってやつ?
でも相手は、ぶっ倒れてて仲間が集まりだしたんだよね。
「そ、総長?!?!」
「大丈夫っすか?!」
また面倒事は勘弁だから
追っ手を撒いて、ダチの車に戻った。
ちょっと遠い場所だったから
もう会うことはないと思ってたし
何よりすっきりしたから
俺の中ではもう終わったことになっていた。
まぁ、そしたら
相手がわざわざ俺を探し回ってくれて
俺は逃げてるってわけ。
まぁ殴り合いは好きだけど、痛いのは嫌い。
あ、殴るのと殴り合いの違いはね、同意かどうか。
いくら俺でも善良な一般市民はいくらイライラしてても殴らないよー。
だから殴れるだけ殴って逃げた。
そしたらもうカンカンに怒っててさぁ。
でも俺、なぁんにも悪くないし。
「あ、」
「い、いた!!!--ゴフッ」
もうマジでウザい。
でも見つかったせいで、一旦撒いた奴らの足音がドンドン近づいてくる。
「にぃげよっ。」
こうして夜の鬼ごっこはまだまだ、まだまだ続く。
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一度は書いてみたい、不良もの。
グループに分かれていたり、裏切者がいたり…。
かなりの根気が必要そうですが…(笑)