シャイボーイのオトシカタ
ふつふつと私の中で広がっているもの

私はこの時まだ気づかないでいる。

すると、家が近くなったとき
彼の方から

「ねぇ、俺なんかと
映画見て楽しかった?」

と聞いてきた。

「楽しかったよ」

心の底から。

「嘘だ。」

嘘じゃない

「なんでよ~」

「俺といて楽しいって思ったやつ
見たことないから」

「私はすごく楽しかった」

本当に。

「ならいいんだけど。」

彼は何かを疑うようにそういった

よっぽどの人間不信らしい。

それで家について
その日は解散となった。
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