恋を奏でる軽音部
「もう、疲れた。」
私は、真っ青な空を見上げて言った。
「え?」
結愛が、きょとんとした顔で、こちらを見る。
「考えるの、疲れた!どっか回ろっ!」
「別にいいけど…。さっき真から、部活展の準備行くってメール来たし。」
「よし!じゃあ、行こう!」
私は、すくっと立ち上がった。
眩しい太陽に、少しクラッとした。
「あ、さっき、つぐみたちから券もらったんだよね!並ばなくてもいいやつ!」
「やったじゃん!どこのやつ?」
「えっとねぇ…。げっ!!……お化け屋敷……。」
「お!いいねぇ~!!」
「よくな~い!無理!!」
この時の私は、すっかり忘れていたんだ。
そのクラス展が、翼先輩たちのクラスのものだということを…。