恋を奏でる軽音部
先輩の髪が、風になびく。
私は先輩に、家までの道のりを告げる。
「先輩!」
「んー?どしたぁ?」
「先輩の家って、ここら辺?」
「あーうん。いや、うん」
先輩の曖昧な返事に、疑問を抱きつつ、家に着いた。
「どうもありがとう!今日、すっごい楽しかった!」
「そっか。じゃ、またな!またメールするから、メールして」
「うん」
先輩は、そのまま私が家の中に入るまで見送ってくれた。
でも私、窓から見ちゃったんだ。
先輩が、さっきの帰り道を全力で逆走していくのを…。