恋を奏でる軽音部
「かの~ん?大丈夫?」
結愛が私の顔を覗き込み、そこでハッと我に変えった。
「ご、ごめん!!」
私が慌ててそう言うと、結愛は小さくため息をついた。
「翼先輩のこと?練習も調子悪いみたいだったし、悩んでるなら言ってくれればいいのに…」
「ゆめぇ~…。すきだぁ…!!」
「当然」
私は、結愛に抱きついた。
「私、先輩のこと何も知らないし、もしかして梓先輩と付き合ってるんじゃないかと思ったら不安になっちゃって。ここまで仲良くなれたから、もう満足なんだけどね!」
素直になれない私。
言葉にしてしまったら、もっと先輩を求めてしまうようで怖かった。
満足してない、と認めてしまうようで嫌だった。