恋を奏でる軽音部
「そういえばさぁ、軽音部に会長いるよね?」
つぐみの突然の発言に、動揺を隠せない私。
「ええ~!?本当!?」
4人とも、私の大声にびっくりして、私を見る。
知らなかった。
そういえば私、先輩に恋をしていながら、先輩のこと何も知らない。
でも、あまりにも会う機会がなくて、恋愛感情は、ただの憧れに変わりつつあった。
「あれぇ~?もしかして、翼先輩のファン?」
郁美がニヤニヤしながら、私の背中をつついた。
郁美の話によると、先輩のバンドは、学校で相当有名らしい。
熱狂的なファンが何人もいるとか。
恋するだけ無駄だよな…。